探偵について
僕は今思えば、昔から探偵モノが好きだった。
漫画で代表されるのは、「金田一の事件簿」「名探偵コナン」だ。
よく部活をサボって部室でこそこそ読んだっけ。友達に全巻借りて授業中にまで読んでいたら先生に見つかって大目玉を食らった挙句、全巻取り上げられて友達に謝った記憶がある。
どうしても返してくれって先生に頼んでも返してくれなかったので、放課後職員室にもぐりこみ、
探偵気取りで先生の机を粗探ししていたら「名探偵コナン」ではなく変なものが出てきた。
袖机の上から2段目にポラロイド写真が大事にしまってあった。そこには、若いころの先生とゆるそうな女性が写っていた。
2人は仲良く肩を寄せ合って笑ってはいるものの、どこかしら緊張した面持ちで、ハニカんでいると言うか、どっちかというと苦笑いのようにも見える。
それは、被っているハットとサングラスのペアルックが探偵のコスプレっぽいのでお互いに意識してしまっているのかもしれない。
そして、写真の裏には「2002年元旦 with キミコ」とサインペンで書かれている。
そういえば、先生は「昔、妻がいた」って授業中言ってたような、言ってなかったような。
僕の探偵的脳内メモリーが記憶の片隅を引き出してきた。
しかし、そんなことはどうでもいいので捕られた漫画をさらに探しているとダンボールの奥から「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ〜探偵シリーズ〜」のVHSが出てきた。
探偵モノには、どうしても惹かれてしまう僕は「名探偵コナン」を諦めてVHSを無意識にパクってしまった。
家に帰って、それを親には内緒で夜中こっそり探偵気取りで見てみたら、そこには若い先生とキミコとの日常生活の何気ない一面が映っていた。